4.子猫と呼ぶ人 

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「まけたか……。  しつこいんだよ。  しつこいのは嫌われるって知んないのかねぇー」 一人……また呟きながら、 片手で支えていた私をあろうことか…… お姫様抱っこに抱えなおして行き詰った屋根から、 そのまま下に飛び降りた。 「きゃぁぁ」 突然のことで、 咄嗟に目を閉じる。 「あのさぁー。  お前、きゃーって悲鳴ばっかあげてないで  なんか言うことないの?」 呆れたように紡がれた言葉の後、 私はお寺っぽい境内の見える庭先へと下ろされた。 えっ……。 これ、何処? さっきから今、自分の身に 起きたことばかり整頓するのに夢中になって 状況整理が……追いつかないよ。 私……。 確か……瑠花と舞と一緒にケーキ食べに 行くことになって。 歩いてたら、そうだ……雷。 雨が降って、雷が鳴って空が割れたんだ。 その中に吸い込まれた……。 えっ? 「瑠花?  舞?  ねぇ、瑠花と舞は何処?」 思わず、目の前に居た私を助けてくれたらしい 男の人の肩をガシっと掴んでゆさゆさとゆさぶる。
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