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「…ここが憧れの男子校か」
俺は今、今日から通うこととなる私立黒峰男子高校の校門の前で校舎を見上げている。
見るからに金の無駄遣いをしているといえるような校舎。
だが、ここが金持ち学校か、と言われればそうでもない。
この高校からは将来有名企業家になるものが多々でているらしいと有名で、優秀だといわれ大量の寄付金をいたるところから貰
っているらしい。
あ、学校の説明ばかりで俺の紹介がまだだったな。
俺は葛城冬樹(カツラギ フユキ)。
本名は蕪木っていうが、わけあって隠している。
まぁ、そのわけってのは俺が大物企業家、蕪木和人の息子だってバレないようにと、俺の気まぐれってだけなんだがな。
ちなみに俺は最初、共学の正真正銘の金持ち学校である私立桜華学園ってとこに、おじい様の言いつけ通り普通に通っていたんだが…正直言ってつまらなすぎた。
おじい様の言いつけを破って何か言われるのは嫌だったが、個性的な趣味を持つ俺には共学、ということに我慢ならなかった。
なので入学式が終わってから一ヶ月しかたっていない今、俺は念願の男子校に転入したって話だ。
…裏口入学なんかしてねぇからな?
自分で言うのもなんだが俺は頭が良い方なんで、テストなんて楽勝だったんだ。
っと、簡単な紹介はここまでにしておこう。詳しいことはまた後でな?
…さて、取りあえず俺は今目の前に聳え立っている無駄にでかい門をどうにかしなくてはならない。
「…飛び越えることも可能だが…それだと王道フラグを回収してしまうかもしれない…」
はい、今の台詞を聞いて大体の人がわかったと思うが、一応言っておく。
…俺は腐っている!所謂腐男子だ。
王道フラグってのは、校門を飛び越えようとしたが着地地点にはなんと、あの腹黒副会長様が立っていて、主人公は着地失敗!そこでなんやかんやあって副会長様から熱い口付けを頂く…というものだ。
それは遠慮したい。俺は傍観者希望なんだ。
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