終わりのはじまり~あとがき~

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終わりのはじまり~あとがき~

亡き母は生前・・・ 波瀾万丈の私の物語を小説にしてと常々言っておりました。 そして、親父との馴れ初め、親父意外のボーイフレンドの話、ツラい話、哀しい話、騙された話・・・、いつもいつも楽しそうに僕に話してくれました。僕はそれらを聞いていました。聞けば聞くほど母を可愛く思い、たくましく思い、いとおしく思い、尊敬していきました。 いつしか母の愛の深さ、愛の深さゆえの悩み・苦悩を知りました。離婚したらいっしょに付いてきてくれるよね・・・とよく幼い頃に訊ねられていた。 でも、いつしか中学生になり反抗期になりました。 母の愛を見て見ぬ振りをし、気がつかないふりをして・・・本当は感謝していたのに、「ありがとう」が言えなかった。 そして学生時代も終わり・・・。 そんなころ、母の病気が発覚。末期の肺癌でした。それから数年の闘病生活の末、永眠した。 これから母に徐々に・・・恩返ししようと色々考えていた矢先でした。僕はそのときから、笑わなくなりました。笑えなくなりました。お笑い番組が面白くなくなりました。悲劇的な悲しいドラマの番組でも泣けなくなりました。自分に幸せはいらないと思いました。仕事を辞めて母のあとを追おうかとも~友達とも話せなくなりました。 仕事以外、外出しなくなりました。 会話が苦手になりました。 当然女性との会話で楽しく会話なんてできなくなりました。 でも生前の母の言葉を日々思い出しながら噛み締めているうち、そのなかで、「小説を書いてね・・・」との約束を思い出したのです。 なんとなく書いてみよう。 そうしているうち~自殺しようとまで考えていた自分が薄らいでいました。仕事を辞めようとも考えていた自分も薄らぎました。 女性と会話するなど接触することも少しずつ出来るようになりました。 「生きる」ことについて・・・前向きになりました。たぶん母が前向きにと導いてくれているんだと思いました。母には本当に感謝なのです。 母はずっと変わらず自分を愛して、守って、励まして、いっしょに笑ってくれていたんだと…。 父への憎しみを拭いきれず父を許す日が来るかどうかわからないですが。それでも、 僕の未来への一歩 「終わりのはじまり」を、負けず怯まず堂々と、母に捧げたいと思います。 自分の進むべき道は~最後は自分で決めたほうが楽しいに決まっているはず。(^_^)
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