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もう何年間か、麻美の俺に対する『親友』ってキャスティング。
まあ…距離感はいい。近くていいんだけど、それだけにクるものがあるよな。まあ…辛い。
心自体はどんなに近くても、結局俺がなりたいような関係にはなりえない。
ん? 努力はしたか?
もちろん、さっき言ったじゃないか、そうやってムード作っても、あいつは茶化して終了だ、泣けてくる。
『ねー謙吾、聞いてよ謙吾』
相談はしやすいだろう、なんたってあいつから見たら俺は親友だから。でもさ、
『今日さ、来宮君にまたたくさん話せたんだ!』
お前の恋愛トークには、そりゃ参っちまうよ。
ずっと一緒で、ずっと好きだったやつから来宮がかっこいいとか、正直消えて無くなりたくなる。ちなみに来宮って俺の親友な。
『…それでって、聞いてる?』
『ん? ああ、聞いてる聞いてる』
『聞いてない人のテンプレート返事だよ!?』
『ああ、テンプレテンプレ』
『謙吾の馬鹿ー!』
そうやってふざけてるフリして、このツラいけど心地よいこの距離感をぶっ壊さないように微妙な心を見透かされないように。
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