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「ん、ここはどこだ?」
俺は何時ものように朝起きたつもりだが目の前には草原が広がっていた。
「いやいや…いつ外に出た?てか、これ夢?」
「夢ではありませんよ」
自分の頬を引っ張っていると頭に声が響いた。
「ん?だれだ?どこに居るんだ?」
いきなり目の前に光の玉が現れた。声はこの玉から出ているようだ。
「私はあなたの世界でいう神です。」
「? 神が俺になんのようだ?」
「大神 勇
男性
24歳
独身
幼少の頃から孤児院で過ごした。親は顔もわからない。今年、大学を卒業し社会人としての人生を歩き始めた……」
いきなり俺の生い立ちを話始めた神の意図に俺は意味が分からなかった。
「だから、そんな俺になんの用があるんだ?」
若干イライラしながら俺は言った。
「あなたには力があります。その力を存分にふるってもらいたいのです。」
「いやいや、そんな力が俺にあるわけ無いだろ…」
「なら、この水晶に手をかざして下さい」
いつの間にか俺の前に占い師が持っていそうな水晶玉が現れた。
その水晶玉にゆっくり手をかざした。
………………………………………?
5分ほどかざしたが何も起きない。
「おい、どうなっているんだ?」
「あれ? おかしいですね…」
光の玉から若干焦った声がした。
「ちょっと失礼します」
光の玉はそう言うと俺の腹の中に飛び込んできた。
「ちょっ!! おいっ!」
俺が焦っていると光の玉はスーッと腹から出てきた。
……………………長い沈黙が続く。
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