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入隊試験を受ける男を前にした沖田は、目の前の男の姿に何故か震えた。
手の汗が、ジワリと出てくる。
どういうことだ……
沖田は、自分で自分を不思議に思った。
手に汗を滲ませるなど、今までに数えた程しかない。
目の前の男は、それほどに強いのか……?
自身が感じる不気味さに、沖田の口の端が上がった。
自分とさほど変わらぬ体格。背の高さもまた、変わらぬ者である。
剣術に対しての自信もあり、沖田は強さが分からない目の前の男に、勝ちたいという欲が出ていた。
構える姿は、隙だらけ。
だというのに……沖田の額からは一筋の汗が流れ落ちた。
「始めっ!!」
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