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「わ、悪気はなかったんですよぅ……」
ダウト。
悪気もなくあんな<自主規制>なことする訳がない。
「悪気がどうこうじゃないんだ。要は、俺はもう魔法使いを目指すこと出来ない体にされてしまったということだ。わかるかい?」
「……?」
そんな露骨になに言ってんのこいつ?みたいな目で見んじゃねぇよ。
「というわけで責任とれ。焼肉ぐらい奢ってもらわねぇと割に合わん」
「や、焼肉……!!」
半分ふざけて言った言葉だったのだが、何故か焼肉の部分だけ反応される。
犬耳はしばらく泣きそうな顔で唇を噛み締めた後。
「……そうですね。責任は取るべきです。こんな身でよければ、煮るなり焼くなりどうぞ、お好きなように」
……コイツナニイッテンノー?
「ちょっと待てよ。何故焼肉の件からそっちに転がった?」
「で、でも!せめて眠らせてからお願いしますぅ!!」
話聞けよ。
「なんで俺がお前を焼くことになってんだよ。しかも地味にグロいし」
「だって焼肉って言うから……」
こいつの中の焼肉とは焼身自殺のことなのだろうか?
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