第一章 俺とわんこ

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それにしても、たいした名前って一体どんなのだ? 寿限無みたいな名前は相当たいしたもんだとは思うが。名付けた親も、それを認めた役所も。 「……と。火を使うときに考え事を禁物だな」 ただの親子丼とはいえ、失敗する時は失敗するしな。 ーーーーー 料理中の描写は作者が親子丼の 作り方を知らないため割愛。 ーーーーー 「おぉ、我ながら上手くできたな」 目の前には二つの丼。 中には普通の親子丼。 様々な理由で上手く描写できないのが非常に残念だ。 「椛ー。出来たぞー」 二つをお盆に載せリビングまで運ぶ。 すると。 「……ふぉぉ……!?」 「……………………」 椛がテレビの画面にへばりついていた。テレビは離れて見ましょう。 「おーい。椛ー?」 「お兄さん。この板は何ですか?中に人の気配は感じられませんが……」 板?……そうか、薄型テレビだと箱よりも板の方が近いのか。 「それは遠くから飛ばされてくる電波化した映像を受信するための機械だよ。中に人はいない。人がいる場所を映し出しているだけだ」 適当に聞きかじりの知識で説明すると、椛は理解してなさそうに頷いて、再びテレビにへばりつく。 こいつ話し聞く気ないよね。 「ほら、飯食うぞ!腹減ってたんだろ?」 「そ、そうですね。……しかしこの世には不思議な物が一杯ですね」 食卓についた椛はしみじみと呟く。
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