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というか、今時テレビすら見たことないってこいつ本当に日本人?モグリじゃねぇの?
親子丼を口に運びつつ、向かいに座る椛を観察してみる。
「……むぅ」
そもそもスプーンが上手く使えてなかった。
「レンゲだそうか?」
「いえ、これで良いです。大丈夫です」
即答か。こいつ意外と負けず嫌い。
しかし、スプーンじゃ底が浅いせいか、ポロポロとご飯粒ご下に墜落している。
こいつの食い方だとマジで日が暮れそうだな。せっかくの日曜だし、まだ昼だし、買い物にでも行こうかと思ってたんだが。
……よし。
「おい椛、ちょっとそれ貸してみ」
「え、ちょっと……」
椛からスプーンをひったくり、親子丼を適量掬う。
「はい、あーん」
「うえぇ!?」
スプーンを口に運ぼうとするが、寸前で椛に叫ばれて数粒の米がこちらに飛来する。
「何すんだ、はしたない」
「べ、別に食べさせてもらわなくて結構です!!一人で食べられますんで!!」
いや、食べれてなかったじゃんよ。
「じょ、常識的に男女がこういうのをするのは……」
「はいはい。要らんとこで常識とか発揮すんな。あーん」
「うぅ、あ、あーん」
渋々開けられた口に親子丼を放り込む。
「お、美味しっ」
そいつは良かった。あとお顔が真っ赤ですぜ。
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