第一章 俺とわんこ

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ほら、次いくぞ」 「ま、まだ噛んでます……って熱っ!?」 「あ、ごめん。口に付いた?」 こんな感じで食事は続き、そして完食した。 飯を食い終わった椛は物珍しそうにソファで跳ねている。 「ちょっと休憩したら出掛けたいんだけど、いいか?」 「……どこに行くんですか?」 丼を台所に放置し尋ねると、椛は警戒心バリバリな瞳をこちらに向けて来た。 「ただの買い物だよ。この家にはお前に貸せそうな女物日用品がないんだ」 なんせ彼女とかいないからね。いないからねッ!! 「成る程、買い物ですか」 「あぁ、面白い物も多いと思うぞ?」 テレビであの反応だから、家電コーナーに行ったら面白いことになりそうだ。 「というわけで、着替えろ。その巫女服もどきのコスプレ衣装で外でたら流石に恥ずいぞ?」 「でも、私これ以外に服持ってないです」 マジか。このコスプレ娘め。 俺は二階の自室に駆け上がり、タンスを漁る。 「ど、どうしたんですか?」 後を追って来た椛が恐る恐る部屋を覗く。 「いや、出来るだけ女が着ても問題なさそうな服を探してる」 あ、黒のパーカーとかなら自然だよな。犬耳隠せるし。 黒のパーカーを椛の方にぶん投げて「着ろ」と目でサインを送る。
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