第一章 俺とわんこ

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「ーーーー3万9千円になります」 「……カードでお願いします」 わーお。こんなに値の張るもんなんだな服って。俺なんてワンシーズンにつき1万かからないんだぞ。ILOVE UNIQLO。 だが椛も喜んでるし、まぁいいだろ。 「あの女の人、良い人でしたね」 「そうか?ただの変態に見えたが」 「貴方程ではないでしょう」 言ってくれるじゃねえかこの犬。 店を出た俺たちは次なる目的地、ホームセンターへの道を歩いている。 「ほーむせんたーってどんなお店ですか?」 「お、値段以上なお店だ」 「???」 緑の看板の某ホームセンターに到着すると、その店名の見て椛は「河童がでそうな名前ですね」と言っていた。何のこっちゃ。 「まずはベッドかな。好きなの選んで来ていいぞ?」 「はい。じゃあ一緒に選びに行きましょうよ」 「うおっ!?」 突然手を握られ素っ頓狂な声を上げてしまう。 「ど、どうかしました?」 「い、いや、何でも……」 柄にもなくドキドキしてしまい、自分の女性に対する免疫的なものを疑ってしまう。あ、そもそも彼女とか何年もいないからね。仕方ないね。 でもこんな子供にドキドキするとか、俺には犯罪者の才能があるんではなかろうか? 「早く行きましょうよ」 「ん……」 何故か気恥ずかしくなり、素っ気ない返事をしてしまう。 そんなこと気にしない椛は楽しそうに俺を引っ張る。 柔らかい手に手を引かれ、俺はグイグイと店の奥に入って行った。
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