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「も、もしもし~?」
ツンツンと少女の肩をつついてみる。
「…………?」
熱に冒された朱色の瞳が微かにこちらを向く。
「大丈夫ですか?救急車呼びましょうか?」
「……………??」
朱色の瞳に疑問符が浮かぶ。
こちらが何を言っているのか分からない、みたいな感じだ。
「もしかして外人さんか?」
仕方ない。砂利道にこのまま寝かせておくのもまずいし、何より体調もよくなさそうだ。
幸い、家はこの道を抜けてすぐだ。
「よっと……」
「っ……!!」
お姫様抱的な態勢で少女を抱き上げる。
その際に少女の体が大きく跳ねたが大丈夫だったのだろうか?
「でも、こんな女の子を家に持ち帰るのは犯罪にはならないよな?」
…………………大丈夫か。
寧ろこのまま放置するほうが非情ってもんだろ。
「う……ふぅ……」
少女は何やら熱い視線をこちらに送り続けているが気にしない。
俺は酔っ払った体でゆっくりと歩き始めた。
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