序章

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俺の家は親が建てた築6年の一軒家だ。 両親はこの家を建ててすぐ他界してるので、実際は俺の物みたいな感じだが。 俺にほとんど構ってくれなかった両親が唯一くれた物と言える。……くれた、と言うより遺して逝っただけだが。 「つまり、何してもその場でバレるってことはないわけでして……」 なんてことを言いながら、俺は冷却シート片手に自分の部屋の扉にもたれかかっていた。 扉の向こう側ではあの犬耳ちゃん(今命名)がベッドに横たわっている筈だ。 「様子とか見に行って大丈夫なのか……」 体調かなり悪そうだったし、熱もあったし、あ!お粥でも作ってあげた方がいいよな……いいよな! 「よし、お粥作ろう」 ダン!と勢いよく立ち上がり、キッチンへ向かった。 「いえーいお粥完成ー!!」 なんの問題もなくお粥は完成した。 ……という工程はこれで三回目だ。 そろそろ"なんの問題もなく"の部分を変更すべきかな。 簡単なたまご粥に二時間掛かるとは俺の腕も落ちたもんだ。 「最近コンビニの飯が多かったしなー」 なんて言い訳してみたり。 元々料理なんて上手くなかったけど。
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