~がみ君視点*1~

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「はぁっ・・・はぁっ・・・!」 なんなんだよ・・・この化け物は・・・ なんかキモいし、デカいし、青いし、キモいし・・・ てゆーか、なんで化け物とおいかけっこする羽目になってんの?! 最初っからおかしいとは思ってたよ? 俺ん家でゲームしてたらふひきーが急に「外に行こう」とか言い出したり、 俺ん家の近所のはずなのにくわさんが車を用意してたり、 いっつもはゲームに集中してるはずのぞのもそわそわしてたり・・・ で、連れてこられたのが古びた洋館で? 入ってしばらくしたら何かが割れる音がして?? くわさんが見に行ってすぐ化け物が出てきて追いかけっこ?! ぜったいおかしいでしょ?! はぁっ・・・やばい・・・ 息がしにくくなってきた・・・ 化け物の足が遅いのが不幸中の幸いだけど・・・ もう、やばい・・・ 「おい、がみ!!上に逃げるぞ!!」 俺の目の前を走るふひきーは逃げた先にあった階段を指さして言った。 「わ、わかった!!」 ふひきーが階段を上がるのに続いて俺も階段を上がっていく。 後ろから聞こえる重い足音が緊張感と恐怖心を増幅させる。 だけど、化け物の足が遅くてよかった。 階段を何段か上がるたびに足音もわずかに小さくなる。 それでもやっぱり怖いんだけどね!! 「いちばん近い部屋ン中に入るぞ!! 急げがみ!!!」 「十分急いでるよ!!」 階段の近くに部屋を見つけ、ふひきーはその部屋に急ぎ足で入っていった。 俺もふひきーに続きその部屋に入っていく。 あの化け物の姿はまだ見えないがこのままではすぐにこっちが見つかる! おろおろと俺がその辺を見渡しているときクローゼットの戸が開き、 そこから声が聞こえた。 「がみ!!こん中に入れ!!」 「え?!」 「あいつにつかまりたいのか?!」 あいつ。 その単語を聞き俺は慌ててふひきーのいるクローゼットの中に入った。 せ、狭い・・・。 息が、苦しい・・・。 「がみ、大丈夫か・・・?」 小声ではあったが心配の声をかけてくれたので 答えようとした。 その時だった。 キィ・・・  「「!!」」
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