君去りし後 after you've gone

2/2
前へ
/20ページ
次へ
記憶の底に眠る 遠く過ぎた日々 愛を語る前に 虚ろな心にポッカリと空いている 穴を埋めよう そう囁いて来たのは苦悩ではなく 欲望 欲望は時に自分自身をも欺く 希望と言う仮面を被り 必ず大きな喜びが待っている筈だと 信じさせようとする 自分だけではなかった 自分だけなど思ってはなかった やがて君の夢を見た朝に 遣る瀬のない思いで目が覚めると 君の居ない現実の重さを知る時が来る それに比べ 自分の言動を裏付ける根拠の 薄弱さに気づき驚き呆れる あの頃の君を 君と過ごした日々を ポッカリと穴の空いたままの心を 息吹にも似た風が 過去より撫でる様に 吹き上げて来る 君去りし後 心は虚ろのまま ポッカリと 穴が空いたのも… 君去りし後          
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加