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記憶の底に眠る
遠く過ぎた日々
愛を語る前に
虚ろな心にポッカリと空いている
穴を埋めよう
そう囁いて来たのは苦悩ではなく
欲望
欲望は時に自分自身をも欺く
希望と言う仮面を被り
必ず大きな喜びが待っている筈だと
信じさせようとする
自分だけではなかった
自分だけなど思ってはなかった
やがて君の夢を見た朝に
遣る瀬のない思いで目が覚めると
君の居ない現実の重さを知る時が来る
それに比べ
自分の言動を裏付ける根拠の
薄弱さに気づき驚き呆れる
あの頃の君を
君と過ごした日々を
ポッカリと穴の空いたままの心を
息吹にも似た風が
過去より撫でる様に
吹き上げて来る
君去りし後
心は虚ろのまま
ポッカリと
穴が空いたのも…
君去りし後
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