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時が不規則なリズムを刻む
甦る目覚めの一瞬
それはいつかの暑い朝
カーテンの隙間から射し込む陽光が
鋭敏な刃となって陰を切り裂く
そこに漂っているのは
かつて懐いていた情熱の幻影
しかし
鋭い切り口の様な光の断面が
徐々にその厚みを増して行っても
そこに広がるのは
私の部屋の情景だけだ
それ以外のものは何も見えない
熱く燃えていたはずの思いは
跡形もなく消えて
その燃えかすすら残っていない
夢とうつつの交わるところで
果たして何を見ていたのだろうか
それともその時
既により大きな夢の中への
失墜が始まっていたのだろうか
しかし
私には確かに
思い出すことがある
それは全く別の私の
もうひとつの記憶
そう、それは
あの日見た流れる雲の…
何処までも続く青い空の…
あの時
風になびく長い髪の…
ずっと隣にいると思ってた君の…
何もかもが
「好き」と言う感情と同様に生半可で
移ろいやすいものだった
ただ私にはそれで充分だった
そしてこれからも
さようなら
遠い夏の香り
いつまでも
ときめく記憶
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