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「はぁ」 自分の部屋に戻ると、溜息と共に力なくベッドに倒れこんだ。 枕に顔を埋める。 なんだか急に悲しさが私を襲う。 熱くなった目元を冷ますため、ツキーンと痛む喉の痛みを和らげるため、小刻みに震える息を思い切り吐きだした。 自分の中では、彼氏いない歴23年でも、ちょっぴりオタクでも、それなりに毎日は過ぎていくし、いつかは彼氏が出来て、普通に結婚して、子供が二人出来て、平凡だけど幸せな老後を過ごす予定でいた。 あくまでも予定だが。 そんな、なんの根拠もない安易で浮かれた考えに、ビキビキとひびが入って今にも崩れ落ちそうな感じだ。 拓也の一言はデカイ。 同じ人種だと思っていた弟にまで彼女が出来たのだから。
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