第2章

6/15
前へ
/58ページ
次へ
「いーな。髪サラサラで」 そう呟いた翔は、おもむろに私の頭に手を伸ばし、髪をなでた。 「……………っ!」 やばい。 本当に、これには毎度毎度驚いてばっかりだ。 この程度のスキンシップなら、慣れているはずだ。 だってうちにいるのはあのお兄ちゃんな訳だし、翔だってこのくらいはする。 でもどうしても、息が詰まってしまうんだ。 「ふ、ふふーん。かっ、翔はくるくるパーだもんねっ」 「”パー“が余計だっつーの。その髪全部引っこ抜いてやろーか?」 「引っこ抜けるもんなら引っこ抜いて………………ぎゃーっ!痛い痛い!」 「おらおら抜いてやるよ」 ……ガキだ。 まるで私たち、中学生通り越して小学生のようだ。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加