第2章

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「やべ。まじで2、3本抜けたわ。わりーわりー」 「はげたら翔の髪植える」 「やめとけ。そこだけくるくるだぞ」 「じゃあ翔の髪の毛一本一本抜いてく」 「ははっ。それすげー拷問」 ……ま、なんだかんだ楽しいからいいんだけどね。 私たちはよく、付き合っていると勘違いされる。 そりゃまあこんだけ仲良ければ、そう思うのも無理はない。 ……でも、それは絶対にあり得ないことなのだ。 翔は私のことを、全く女として見ていない。 普通に自分優先だし、普通に家に押し掛けて私のベッドに寝転がるし、部屋に二人きりでいてもなにもおこらない。 ……つまり翔にとって私は、見た目が女の子っぽい男友達…… というわけだ。 それを悲しく思う人もいるかもしれないけど、私はこのポジションが結構気に入っている。 ……なーんて。 とりあえず私は、翔の一番の友達であればそれでいいんだ。
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