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「おはよー」
翔と一緒に教室に入ると、男子たちが翔を迎え、私は女の子たちの輪に入った。
「やあやあ。今日もダーリンと登校すか、理衣さん」
早速おちょくってきたこの子は、戸越美咲(とごしみさき)。
唯一私と翔に対して、“どーせなら付き合っちゃいなよ君たち”と思っている変な子だ。
「ダーリンじゃないってば」
「わーツンデレ!」
「いや、違うし……」
苦笑いする私なんておかまいなしに、美咲はニヤニヤしながら突っついてくる。
……翔の次に、ガキだ。
「私は2人お似合いだと思うけどねぇ」
「やめてよ。翔は私の大切な友達なのっ」
「はあー?そんな生温いこと言ってらんないよ。だって長谷川最近女の子大丈夫になったから、結構狙ってる子いるらしいよ。いいのかなー?愛しのダーリン取られても」
……なんだそれ。
翔が女の子大丈夫になった…?
そんなの違う!翔はまだ、完全に女性恐怖症が治った訳じゃない!
それなのにそうやってすぐ媚を売るなんて、信じられない……!
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