第2章

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───────────── 「おはよー」 翔と一緒に教室に入ると、男子たちが翔を迎え、私は女の子たちの輪に入った。 「やあやあ。今日もダーリンと登校すか、理衣さん」 早速おちょくってきたこの子は、戸越美咲(とごしみさき)。 唯一私と翔に対して、“どーせなら付き合っちゃいなよ君たち”と思っている変な子だ。 「ダーリンじゃないってば」 「わーツンデレ!」 「いや、違うし……」 苦笑いする私なんておかまいなしに、美咲はニヤニヤしながら突っついてくる。 ……翔の次に、ガキだ。 「私は2人お似合いだと思うけどねぇ」 「やめてよ。翔は私の大切な友達なのっ」 「はあー?そんな生温いこと言ってらんないよ。だって長谷川最近女の子大丈夫になったから、結構狙ってる子いるらしいよ。いいのかなー?愛しのダーリン取られても」 ……なんだそれ。 翔が女の子大丈夫になった…? そんなの違う!翔はまだ、完全に女性恐怖症が治った訳じゃない! それなのにそうやってすぐ媚を売るなんて、信じられない……!
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