第1章

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「理衣が料理なんて、俺嬉しいよ!…………あ」 「……ん?」 突然険しい表情になるお兄ちゃん。 なんだなんだ。 どうした、シスコン。 するとお兄ちゃんは後ろから回していた腕をほどき、私を正面に向けて肩をガシッとつかんだ。 「……理衣。好きな男ができたのか!?」 ……… 「はっ!?」 「だから急に料理する気になったんだろ!全く……大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになるって言ってたじゃないか!」 ……はいでました。シスコン発言2。 そりゃ言ったさ!“あたち、大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになるの!”と。 言ったけれども! まさか今でも、私があなたのお嫁さんになりたいとでも思ってるんですか? 隣でお兄ちゃんがぷりぷり怒っている間に、カップケーキが焼き上がった。 ぷーんといい香りがする。
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