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『ほんでなー…上司がこんなんゆうねんけど、俺としてはさー…』
ただひたすら喋る亮は、俺らにまで安心感をあたえてくれんねん。
『ほな、今日はそろそろ帰るな?』
亮が椅子から立ち上がったとき、すばるの目線が動いた。
俺は固まってもうて、動けへんでおる。
もちろん、ヒナも。
『どうしたん?すばるくん…』
『亮にまだおってほしいんちゃうんか?』
ヒナが慌てて声にする。
『そうなん?すばるくん…』
亮がすばるに問いかける。
『絶対そうやって』
俺が必死で言う。
『二人とも黙ってて?…すばるくん?何にも言わへんかったら、伝わらへんねんで?』
すばるの唇が少し揺れるけど、また俯いた。
『意地悪が過ぎた?』
ニカッと笑った亮の服の裾をすばるが持った。
『うん、ほなもうちょっとおるわな?』
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