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何か悔しいのは何でやろう…
『ヒナ、眉間に皺行ってるで?』
ヨコに言われてハッと我に帰って、ふと見上げる恋人の顔は不機嫌そのもので。
『俺がおるやんけ…』
心があったかくなって、ヨコに抱きついた。
『すばるくん…すばるっ!!どうしたん!!!息してや!』
あいつが苦しい思いをしてたことに…何一つ気付かんと…。
『すばるっ!!』
急に意識を無くしたすばるに全員慌ててしまう。
すばるに声をかけ続ける亮と、医師を呼びに走って出ていったヨコ。
何も出来ずに、泣き崩れる俺と。
意識の無いすばる。
医者が入ってきて、機械の擦れる音と。
俺の肩を擦るヨコの手の温もりと。
亮の叫び声以外は、何も思い出されへん。
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