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「か・・・・・っ!?」
「どうした?『適合者』」
千葉は再び地面を蹴る。
勝てるなんて思っていない。勝
とうとも思っていない。ただ、『あの少女からこの男を引きはなそう』そのために勝ち目のない戦いに身を投じている。
「うああぁぁぁぁぁぁ!!」
しかし、体格差がありすぎる。喧嘩とはほぼ体格で決まるようなものだ。仮に千葉の攻撃が当たったとしても向こうは怯まないだろう。それどころか、下手に攻撃をすれば逆に迎え撃たれる危険もある。
「その程度か?」
習志野千葉は筆箱からペンを取りだしそれを指の間に挟んで構える。千葉の拳を男に当てても到底敵わないが、ペンを目に突き刺す攻撃だったら効くだろう。
「小細工を」
杞憂は呆れた声をだす。そして少しがっかりしたような眼差しで
「その程度で実力の差が埋まるわけなかろう」
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