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「・・・・・・ごめん俺のせいでーー」
「なーに謝ってんのよ習志野、あんた立派に戦ってたじゃない」
嘘だ。千葉を傷つけないためのお世辞に決まっている。今の千葉には、そんな言葉は重しにしかならなかった。
「・・・・・・俺もさ、二人みたいにそのマルチツールってやつがあれば戦えるかな?もう誰も傷つくのなんて見なくてすむかな?」
「・・・・・・センバ」
「貴方次第ですね。貴方の能力次第で何かを傷つけることも、何かを守ることも貴方は何を傷つけたいですか?何を守りたいですか?その答え次第です」
「なぁ、俺にもなんか出来ることとねぇかな?」
「ありますよ。きっと」
そう言うと、三笠は車を停める。
千葉の家の前だ。
千葉と蔵井は、扉を開けると空はもうすでに無数の星が瞬いていた。
「貴方の覚悟が本当なら、明日の一二時三〇分にあなた達の通っている見光(みひかり)高校の前で待っています」
「俺も行っていいのか?」
お待ちしています。と言って三笠は車を発進させた。
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