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一二時三〇分。
千葉は校門に寄りかかっていた。
「おーす、センバァ!」
蔵井は重たそうなリュックサックを背負い現れた。
「あっれぇー?三笠はまっだなのかぁー?」
「いえいえ、今来ましたよ」
蔵井の背後にはその長身を漆黒のスーツで包んだ三笠がいた。
「昨日はどうもです。枯葉の調子はどうですか?」
「もう大丈夫です。医療系の能力者に任せましたから。」
「あーんたは医療系の能力者じゃあないのかぁ?」
「私は違います。私は、使役系です。体内で育てている寄生生物を使役するだけの能力です」
へー、と取り敢えず理解する。こんな能力を普通に使える人間達の中に入れるのが嬉しかった。自分の能力で人を救えるんだ。この力があればなんでもできるんだ。昨夜はそんな妄想にとりつかれて眠れなかった。
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