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★★★
千葉と蔵井が満員電車の洗礼を受けている頃、青髪の青年、杞憂淘汰(きゆう とうた)は公園のベンチからゆっくりと立ち上がった。
年は十八位でありやや筋肉質なその体にはずっしりとした工具箱が握られている。
「そろそろか」
まるで狩人のような目には千葉と蔵井が乗っている電車が写されていた。
★★★
「ハァ、マジで、死ぬかと思った」
「センバ、ハァ、俺もだ」
「ハァ、今何時だ?」
「八時四十分だ」
サンキューと千葉はお礼をいい改札口へと歩きだす。
★★★
「杞憂だ。回収目標を確認した。」
杞憂淘汰は電話を片手に千葉達のいる方向へ向かう。
「傷はつけないでくださいね」
「わかっている」
電話の相手は少し心配そうに言う。
「あなたの能力は少々・・・・・・、いや多々大雑把なんです」
「気を付けるさ。あのアプリと『適合者』を回収するだけの簡単な仕事だろう?」
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