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★★★
一年A組
「みーんな体育で行っちまったかぁー」
「そりゃそうだろ」
教室の窓から外を見るとグラウンドでランニングをしているクラスメートが見えた。持久走だったらしい。
「行かねぇよな?センバ」
千葉は行かないと答える。
★★★
「ここか」
杞憂淘汰は千葉のいる高校を見上げて呟く。
(帰宅時がいいか)
刹那
「ちょっと待ちなさいよ」
背後から声がした。声の主を見るとまだ十五、六程度の小柄な女の子が立っていた。セミロングにした髪は風が吹くたびになびいている。
「誰だ?」
「秋山枯葉(あきやま かれは)だよ」
「なんのようだ」
「うちにその用ができてしまうかしまわないかはあんた次第ね」
「俺の敵か?味方か?」
「敵だよ」
少女は顔色ひとつ変えない。
「敵だけど争いに来たわけではないの。ほんとはあんたを殺っちゃった方が早いんだけど、そしたら上がうるさいのよね」
「上?どこの組織の人間だ?」
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