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「ーーあんた、ナメ過ぎてんのよ!」
工具箱は少女の頭の一センチ手前で止まっている。円形の透明なシールドによって受け止められていた。
直径三メートル程のシールドの淵の部分を枯葉は掴む。
「・・・・・・チッ」
杞憂淘汰は少女から距離をとる。
少女はシールドを元の少女の腕によく馴染むサイズの銀の腕輪に戻す。
「貴様の『器』はその腕輪か」
「シールドだけじゃなくて、こういう使い方も出来るのよ!」
腕輪が今度はフラフープのような形になると、
高速で回転を始めた。
シュィィィィンという音が聞こえ、あれに当たれば肉が削ぎ落とされると杞憂淘汰は思った。
「随分とえげつない武器なのだな」
「降参するなら今のうち」
「悪いが、こちらも仕事なんでな」
銀のフラフープは杞憂淘汰に向かって飛んでいった。
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