王子さまの憂鬱

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恥ずかしいのか、俯いたままの彼女を強く抱き締めた。 「本当はね、いつも怖かったの。 独り占めしたいくらい 裕太のことが大好きで・・ だけど、仕事を頑張ってる裕太も好きだから、こんなワガママ言ったら駄目だってわかってるんだけど・・」 俺の腕の中の彼女は少し震えていて、 いままで弱音とかワガママなんて言わなかったのは、俺のことを考えてくれていたからだったんだ。 いつもクールな彼女だけど、 本当は自分が思っている以上に大切に、心の底から愛してくれているんだなぁ、と感じた。 「・・こっち、むいて?」 俺の声に反応し、ゆっくりと顔をあげる。 ・・うん、可愛すぎでしょ。 理性がぶっ飛びそう、だけど・・ 「ヤキモチ・・嬉しいよ。 でもさ、もう独り占めしてるよ? 俺をこんな気持ちにさせるのはお前だけだよ。 仕事はやっぱり大事だし、これからももっと頑張っていきたい。 それには、お前が必要なんだ。 家族とか、メンバーとかとはまた違う感情で、なんて言えばいいのかわからないけれど・・ 愛してる・・心の底から・・」 いつもなら照れくさくて言わないような言葉。 でも、伝えたくて仕方なかった。 真っ直ぐ見つめる彼女の瞳は本当にキレイだ。
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