王子さまの憂鬱

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「・・もう我慢の限界。」 「へ・・?」 「キス、していい? ・・ていうか、します!!」 返事を聞く余裕もなく、 彼女の唇を奪った。 一瞬だけ触れた唇は冷たくて、胸が締め付けられるようだった。 「すごく会いたかった。 来てくれてありがとう。」 彼女の耳元でささやき、今度は 深く、深くキスをした。 呼吸さえ許されないような激しいキス。 一瞬だって離れたくない。 会えなかった時間を埋めるように、彼女を求めた。 「・・んっ ゆぅ、たぁ・・!」 苦しそうな彼女の声。 「ご、ごめん! 止まんなくなっちゃって・・」 「・・わたしも、すごく会いたかったの。 わたししか知らない裕太が見たい・・!」 「今日は積極的なんだね。 かわいいっ!」 どんどん赤くなる頬・・ もう、無理。 いただきます!! 「やぁ・・ ま、待って・・! こんな所じゃ・・お風呂だって・・!!」 ヤル気満々で彼女の服に手をかけた俺は、お預けをくらった。 「お風呂、一緒に入ろう? それで、朝までたくさん愛し合おう?」 「・・・う、ん。」 あぁ、もう愛しくてたまらない。 「大好き。愛してるよ・・」 「・・わたしだって 裕太のこと、誰にも負けないくらい 愛してるんだからぁ・・!」
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