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「みっくーん♪」
「キタミツー」
「みつー??」
撮影前のメイク室に響き渡る俺の名前。
わかった・・
わかったから、もう俺の名前を呼ばないで・・・
「宏光さん。」
・・・。
この呼び方をする奴はアイツだけだ。
「その呼び方、やめてくれませんか。
鈴木さん。」
「あ、起きました。
メイク終わりましたよ。」
「一発で起こすなんて、鈴ちゃんすごーい!!」
「みっくんがすんなり起きたぁ!!」
メンバーがからかうように騒ぎだす。
「ミツ、撮影前に寝ちゃうと
目が腫れちゃうよ?」
「それが腫れないんだよ、タマ。
いつでも寝ていいよって、神様が与えてくれた特権なのかも。」
得意気に言えば、後ろから聞こえる嫌味な笑い。
「・・・なんですか?
鈴木さん。」
「いいえ、別に。
撮影が始まりますよ。
タマちゃんも急いでください。」
ゾロゾロとスタジオまで歩きだすメンバー。
なんで玉森はタマちゃんで
俺は宏光さん、なわけ?
他のメンバーだって愛称で呼ぶくせに・・
俺たちのヘアメイクを担当してくれる中の1人、鈴木さん。
なぜか俺の名前だけ、変な風に呼ぶ。
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