王子さまの憂鬱

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彼女も宮田くらい素直だったらな・・ なんて、そんなわけないか。 彼女のたまに見せる素直なとこが好きだし。 普段はツンツンしてそっけないけど、なんだかんだで優しいし、俺を大切に思ってることも伝わってくる。 さっきの電話だって、俺の背中を押してくれたんだろう。 (乱暴に、強くだけどね・・) 彼女と付き合ってもうすぐ2年。 デビュー話などもあって、本当に大変な時期だったけど、弱音を吐く俺を支えてくれたのは彼女だったなぁ・・ ・・やべ!! 無性に会いたくなってきた・・ 今日は今から雑誌の撮影で終わるのは夕方。 それから打ち合わせがあるから・・ 帰るのは深夜になるだろうな。 明日も朝イチで仕事だし・・ はぁぁ 会えないとわかるとますます会いたくなってきたぁ!! 「玉森くん? 顔、怖いよ?」 眩しいフラッシュにハッとする。 撮影中だった。 ヤバイヤバイ。 「たま?大丈夫か?」 小さな声でミツが話しかける。 「ん、ごめん。」 「彼女となんかあった?」 「ん~・・ここんとこ会ってないなぁって。」 そんな会話をボソボソしながらも撮影は進んでいく。 いまの俺、ひきつった笑顔なんだろうな。 プロ失格かも。 「たま、彼女も限界かもよ?」 「・・・へ?!」 「タマだけじゃないと思うよ。」 少年みたいな笑顔をみせるミツ。 つられて俺も笑ってみるけど・・ たぶんこんなに会いたいって思ってるのは俺だけなんだよなぁ・・
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