王子さまの憂鬱

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「ーーーゆう、た・・?」 感情を抑えることができず、思わず後ろから彼女を抱き締めた。 彼女は驚くほど冷たくなっていた。 「どれくらい・・ 待っていてくれたの?」 「・・さっき来たばっかりだよ?」 「嘘。こんなに冷たくなってる。」 冷たくなった彼女の髪を優しく撫でる。 「・・電話、きったあと・・ 言い過ぎたなって反省して・・ けど、仕事中だし、待ってるなんて言ったら 裕太、焦るでしょ・・? それでなくても顔に出やすいんだから・・ 今日は撮影だって言ってたし・・」 あれから、ずっと・・ 「待たせてごめん、ね。」 「わたしが勝手に待ってたんだから。 なんで裕太が謝るの??」 明るく笑う彼女を、やっぱり愛しいと思った。 「俺ばっかり好きで、 俺ばっかり会いたいのかと思ってた。」 ギュッと強く彼女を抱き締める。 「ゆ、うた・・?」 「ん?」 「あのね、わたしね・・」 強く抱き締める俺の腕を押さえ、ゆっくりと振り向く彼女。 ーーーやばい!!! ピンクの頬。 潤んだ瞳に上目使い。 少し尖らせた唇・・ この空気・・・ デレ期きたかもーーー!!!
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