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「残り、一時間を切りました」
冷えきったホールにアナウンスが響き渡る。
「コインが不足している方は、交換所までおいでください」
誰かが、台を離れ、うっすらと霜がはった床を裸足で交換所に向かう。
和哉はパーカーを着ていたが、そいつは上着もなく、あとはパンツだけの恰好だ。
パンツも穿かないで台に座るのかと、そいつを可哀相に思ったが、この氷のような椅子に、パンツ一丁で座ろうが、生尻で座ろうが同じことだった。
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