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両者攻撃の届く間合いに踏み入った瞬間、平助が沖田より僅か先に木刀を振りかぶった。
「ヤァァァァァ!!」
平助は俊敏さには自信があったのだ。
今まで、伊東精一と大蔵を除いて一度も不覚をとったことがない。
全て相手より先に動き、隼の如く剣で仕留めてきたからだ。
ところが沖田の細く甲高い声がこだますると、平助が振り下ろす前に沖田の剣先が平助の喉元を寸止めでとらえていた。
「私の勝ちですね」
いつの間に……。
沖田は目にも止まらぬ速さで平助より素早く動いたのだ。
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