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こんなことは初めてだった。
速さに自信のある自分が、そのスピード勝負で負けたのだ。
世の中、上には上がいるものだ……。
平助は剣術修行一人目で敗北とあっては、大蔵先生に申し開きが出来ないと感じた。
沖田から何かを学んで帰らなければならないと考えたのだ。
「沖田殿、拙者はどうしても強くなりたいのです。剣を教えて下さいませんか?」
突然の弟子入りに沖田は返答に困り顔をしかめる。
「残念ながら私は道場主ではないですからね……それなら近藤先生に紹介してあげますよ」
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