浪士組

6/7
前へ
/147ページ
次へ
「俺達にも成すべき時がきたようだ……」  平助が稽古場に着くと、神妙な顔付きで全員集合していた。 「どうしたんですか?」  近藤に詳しく聞いた。  すると、庄内藩の清河八郎という男が浪士組の隊士を募集しているというのだ。  清河八郎といえば北辰一刀流免許皆伝の腕前で、たいそう頭のキレる人物だと聞いている。  その清河が同年二月、将軍徳川家茂公が上洛する際に警護をするための部隊として浪士組を結成するのだという。  そして驚くべきは、その参加条件にあった。  浪士組参加者は「今まで犯した罪を免除される・文武に秀でたものであれば身分に関係なく重用する」ものとする。  つまり腕に覚えがある者であれば、犯罪者であろうとも農民であろうとも、身分も年齢も問わず参加できるということだ。  これならば身分に恵まれていない試衛館の一門達も加わることが出来た。
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

90人が本棚に入れています
本棚に追加