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これは平助にとって、とても勿体ない言葉であった。
この時、伊東道場は規模も大きくなり、塾生や門下生も増え活気盛んになっていた。
すでに師範代となっている伊東大蔵は平助に限らず門弟みんなの憧れとなっていたのだ。
その伊東大蔵が伊東道場を代表して剣術修行に行ってこいといってくれたのだ。
これを承諾しない理由がない。
「ありがとうございます。必ずや、大蔵先生や精一先生に良いご報告を持ち帰ります」
平助は二つ返事ですぐに荷を詰め、旅の支度をすませた。
藤堂平助は伊東大蔵の恩義を感じ、東へ旅立ったのだった。
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