雨上がりの空とキミ

6/6
前へ
/108ページ
次へ
ふわりと柔らかく温かい。 あ、触れちゃった。 その時、 「うわっ!!」 びくりと体が揺れて直ぐ様後ろを振り返る。そうなると必然的に私と目が合う。 後ろに私がいたことと、 しっぽを握られてることに驚いていた。 蒼色の瞳が私をのぞく。 少しの沈黙の後、 静寂を破ったのは彼で、 「お前、これ見えんの?」 透き通るような綺麗な声で私に問う。 声がでない。 びっくりしすぎてだろうか? 「?おい、聞いてるのか?」 再度私に問う。 その声に我にかえり、答えた。 「ぼんやりとだけど、見えるし触れたよ?」 鮮やかには見えない。靄(もや)がかかっているような感じ。 彼はまたもや驚いて、 「これが見えるやつに初めて会った」 そして続けて彼はこう言う。 「お前も妖(あやかし)なのか?」
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加