陰と陽

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夕暮れの天気雨。 天気雨になると半妖になり しっぽなどがでるが妖達には 見えないらしい。 だから前の女子生徒に驚いた。 大物の妖かと身構えたら、 人だった。 チョコレート色の髪でセミロング。背丈は俺より頭一つぶん低く、澄んでいる茶色の瞳は俺を写している。 下校中だったのか手にはスクールバッグがあった。 たしかこいつは、 転校生の逢坂つゆり。 半妖の姿が視えるとは……。 妖は無理に視ようとすると完璧に視えるようになってしまう。 そうなると妖達は視える人に 近づいて色々と危険だ。 忠告をすると、逢坂の顔が紅くなっていることに気付いた。 少し自分らしくないことを言ってしまい照れ隠しのつもりで頭を撫でようする。 だが半妖の今、触ると視える力が強くなる。 そう考えて手を引く。 面倒なことに巻き込まれなければいいが…… そう考えて、 家路へと足を速めた。
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