57人が本棚に入れています
本棚に追加
「千夜(センヤ)、また来たの?おいで、治してあげる」
少女は、千夜と呼ばれる狐の傷口に手をおいた。
目を閉じ意識を集中させると、傷口は光だし手を離すと跡形もなく消えていた。
「また怪我しちゃうから、あんまり人里に降りちゃダメだからね?」
「一華、ありがとう」
「元気になって良かった(ニコッ)」
「ねぇねぇ、一華は何者なの?」
「だからー、前にも言ったけど陰陽師だってば。まだ一人前とは言えないけど...」
「人間に、ましてや陰陽師なんかに、僕たち妖怪の声が聞こえるはずないよ。一華、本当に人間なの?」
「失礼ね、立派な人間よ」
「まぁ人間でも妖怪でもなんでもいいよ。一華の傍がすごく落ち着くことには変わりないから」
「そんなに気持ちいいの?」
最初のコメントを投稿しよう!