一章

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「千夜(センヤ)、また来たの?おいで、治してあげる」 少女は、千夜と呼ばれる狐の傷口に手をおいた。 目を閉じ意識を集中させると、傷口は光だし手を離すと跡形もなく消えていた。 「また怪我しちゃうから、あんまり人里に降りちゃダメだからね?」 「一華、ありがとう」 「元気になって良かった(ニコッ)」 「ねぇねぇ、一華は何者なの?」 「だからー、前にも言ったけど陰陽師だってば。まだ一人前とは言えないけど...」 「人間に、ましてや陰陽師なんかに、僕たち妖怪の声が聞こえるはずないよ。一華、本当に人間なの?」 「失礼ね、立派な人間よ」 「まぁ人間でも妖怪でもなんでもいいよ。一華の傍がすごく落ち着くことには変わりないから」 「そんなに気持ちいいの?」
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