57人が本棚に入れています
本棚に追加
「うん。ほんと不思議だね...」
千夜はあまりの心地よさにウトウトし始めた。
「一華ー!そろそろお父様が帰ってくるわよー」
「はーい、すぐ行きまーす!千夜、ごめんね。私行かなくちゃ」
「うん、またね一華」
私はお母様の元へ走り、一緒にお父様を迎えた。
「お父様、お帰りなさい!」
「ただいま、一華.....今日も妖怪と遊んでいたのかい?」
「(ギクッ)ち、違うもん」
「嘘ついてもダメだぞ。お前の気が乱れていることくらい、わからないとでも思ったのかい?」
「....ちょっと会ってただけだもん」
「何度言ったらわかるんだ。あれほど会うなと言っただろ」
「どうして?妖怪は皆悪い奴だから?」
「妖怪は人を襲う化け物だ。お前だって騙されてるかもしれないんだぞ?」
「お父様は彼らの何を知っているの?彼らだって人間と同じよ。悲しい、嬉しい、悔しい。様々な感情を持ってる」
「だが人を襲う妖怪がいることも事実だ。私達は術師として、人間を守る責任がある。さぁ、その妖怪の居場所を教えなさい」
「嫌よ」
「誰かを守るためには、犠牲も必要なことだと前にも教えただろ」
最初のコメントを投稿しよう!