一章

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「お父様の考えは間違ってる!命はこの世に等しくあるもの。誰にも誰かの命を奪う権利はないわ!」 「なら我々はただ食われろと言うのか!」 「なぜわからないの!?人と妖怪、どちらも救える道があるはずよ!努力もしないで勝手に決めつけるなんて、私は恥ずかしいわ!」 『パンッ!』 頬に痛みが走った。ジンジンと痛みが増して、熱をもっているのがわかった。 「お父様なんて、大嫌い!」 私は家を飛び出した。 「あなた、また一華と喧嘩したの?」 「あぁ....」 お父様は、娘を叩いてしまった手を眺めて言った。 「正直に言ってあげたらいいのに。あれじゃあわ一華のほうが言ってること正しいわよ?」 「だが一華はまだ10歳だ。いくらなんでも幼すぎる.....」 「あれだけ立派なこと言えるのよ。あの子だって、もう子供じゃないわ」 「まったく....あの子は本当に君の若い頃にそっくりだ。なぁ、さくら?」 「あら、そーかしら?」 「君もよく妖怪と会っては、お父さんに怒られていたじゃないか」 お母様は後ろからお父様をそっと抱き締めた。 「....一華が帰ってきたら本当のことを話ましょう?大丈夫よ。あの子なら、きっとわかってくれるわ」
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