一章

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「お父様!お母様!」 「一華、来ちゃダメ!」 お母様は声を抗え、私はその場で足を止めた。 敵は見る限り一人だけ。 ...たった一人の男に...村が...。 「一...華....」 「お父様....!」 かすかにだが、まだ息がある..。 「これを....」 お父様は、私に五芒星の首飾りを渡した。 「これは....」 「絶対に...奴等に渡してはならない....。これをもって...遠くへ逃げるんだ....」 「いやっ!一緒にいるわ!」 「一華....愛している...」 「お父様....?」 いくら声をかけても、体を揺すっても、お父様はもう返事をしてくれない。 「いや....お父様ー!」 「きゃぁ!」 「っお母様!」 振り向くと、お母様は刀で刺されその場に倒れ込んだ。 「有名な陰陽師の村と聞いて来てみれば、大したことはないようだな」 「....いで....お前のせいでっ!」
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