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「き、聞いてないよおお」
狭く薄暗い道を、懸命に駆け抜ける。沈む夕日は木々に閉ざされ、彼女たちに届くことはない。
「ひっひいぃぃいい! もう、どっちが前かすら分からないって」
「騒ぐな、馬鹿。位置は把握している。黙ってついてこい」
男らしく颯爽と前を走る竜崎海夜(りゅうざきみよ)。その後ろを泣きべそを浮かべながら追いかける、桐谷結子(きりたにゆいこ)。
彼女たちは、受験の真っ最中である。
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