受験!

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受験者数1000を越える中から、書類審査で一次を通過した結子は、嫌々ながらも最終の実技試験を受けるため、試験会場まで向かう魔動車に乗った。 魔動車に4時間ほど揺られてやっと到着した場所は、太く力強い木々たちやごつごつとした大小様々な岩が転がっているだけだ。 ぞろぞろと魔動車から受験者が降りる。それに結子もついていくと、【受験者諸君、120人以内に学校へ辿り着けば合格だ!鐘の音と共に走り出せ】と書かれた馬鹿デカイ看板が立っているのが見えた。 親が勝手に進めた高校受験――やる気など、1ミリも結子にはなかった。 それでもここでずっと立っているわけにもいかず、周りを見渡してゴールらしき建物を探す。 鬱蒼と生い茂る木々の向こうに、白い建物が見えた。
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