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「意気地のないやつだな。たかがゴーレム数体にビビるとは」
蔑むように座り込んだままの結子を見下ろす。
今2人の前方には、ゴールである神騎学園と共に巨大なゴーレムが数体、立ちはだかるようにして構えていた。
その距離150メートル。近づかなければ害はない。
「たかがって……。ゴーレムなんて倒せる力、生憎私にはないの。馬鹿にするならすればいいよ」
海夜の視線を気にした風もなく、淡淡と話す。そんな結子を面白くなさそうに、海夜は眉間にシワをよせる。
だがすぐに、思いついたかのように、ニヤリと頬を緩ました海夜。
「だったら何も言うまい。例え、森から魔犬が出てくる可能性があっても? 例え、ゴーレムに返り討ちにあった誰かが、どこぞの馬鹿(結子)の方に逃げたことで、ゴーレムが馬鹿(結子)ごと叩きのめそうとする可能性があっても?」
意地悪そうに、チラチラと結子の方に視線を向けながら海夜は言った。
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