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「い、今なんて?」
「二度も言わせるな馬鹿」
「……、……うぅ……」
考え込むように眉を寄せて、呻く結子。そんな姿を見て、海夜は満足そうに一人うなずいた。
ポニーテールが、爽やかな風に揺れている。
「じゃ、私は行かせてもらうとしよう。馬鹿はここでずっと座っていろ、馬鹿」
「なっ!?」
さっさと歩いて行ってしまう海夜の背を、先ほどから馬鹿と言われ続けている結子は、鋭く睨むがすぐに不安げな顔になった。
「どどどどうしよう……。受かるのなんて論外、痛いのだってお断り、巻き添えも嫌!」
「こ、こうなったら」と、結子はゆっくり立ち上がり、不敵な笑みを浮かべた。
そのまま全力で海夜を目指して走っていく。
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