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「ケホッ」
煙草の放つ匂いが鼻につき、リーズは思わず噎せを起こす。
「ああ、すまない」
そう言って、赤羽健吾(アカバネケンゴ)は火を着けたばかりのそれを、携帯灰皿の中でもみ消した。
「とんでもない、博士こそお気になさらずとも良かったのですが」
リーズは少し勿体ない事をさせてしまったという詫びる思いで、頭を下げた。
それと同時に、金髪のポニーテイルが彼女の白いうなじを撫でる。
その佇まいは洗練されており、一挙一動はまるで粗相がない。
黒いスーツを身に纏っている事も相まって、さながら執事のようだ。
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