プロローグ

3/12
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「ケホッ」 煙草の放つ匂いが鼻につき、リーズは思わず噎せを起こす。 「ああ、すまない」 そう言って、赤羽健吾(アカバネケンゴ)は火を着けたばかりのそれを、携帯灰皿の中でもみ消した。 「とんでもない、博士こそお気になさらずとも良かったのですが」 リーズは少し勿体ない事をさせてしまったという詫びる思いで、頭を下げた。 それと同時に、金髪のポニーテイルが彼女の白いうなじを撫でる。 その佇まいは洗練されており、一挙一動はまるで粗相がない。 黒いスーツを身に纏っている事も相まって、さながら執事のようだ。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!